旅の夜は、何よりもこの時間を楽しみにしていた!
畳の香りに包まれたお部屋に、丁寧に並べられた色とりどりの器たち。
開けるたびに「わぁ」と声が漏れる小鉢、蒸し物、お造りに焼き物。
どこから手をつけようか迷ってしまうほど、豪華なお料理がずらり。
今日は景色でもなく温泉でもなくー
”食事に主役をゆずって”、ただただ夢中になる。
橋を運ぶたびに、体の奥までほどけていく感じがして気づけば心までほぐれていた。
「もう食べきれない…」って言いながら、最後の一品までしっかり味わう。
旅館でしか味わえない、静かなごちそう時間。